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ANIMAL MAPのヒートマップ表示機能を使うと、地図上にサルの出没頻度を色の濃さで表示できるので、よくいる場所をどなたでも簡単に知ることができます。
今回紹介させていただく福島県南会津町様では、サル被害対策を住民と一丸となって解決するため、地域住民と座談会や講習会を積極的に行っています。動物位置情報システムANIMAL MAPとサル用GPS首輪発信器GLT-02をご活用いただき、地域住民の方々も自分の家の裏が真っ赤(サルが居ついている!)だと分かると、とても熱心に対策に取り組んでくださるそうです。
濃い赤色が表示されている部分がサルがよく利用する場所になります。このようにサルは、山際に生息しており、人間の隙をついては、農作物などを食べに農地に出てきます。したがって、特に濃い赤色の地域については、侵入防止柵を設置することや、追い払い、誘引物の除去など対策を行う必要があります。
南会津町では、頻繁に住民への講習会を開催しています。ANIMAL MAPを使うことで、地域住民にもよく理解していただけるようになったそうです。
サルの移動経路が分かるので、整備が大変な侵入防止柵も関係者みんなが合意の上で導入できる
ANIMAL MAPにより、GPSを装着したサル群れの分布域に隣接すると分かった2地区で、令和元年に合計約2kmの柵整備が実現し、令和2年度には同地域に合計約5kmの柵整備を計画しています。
上記のように、まずは赤色が濃い地域から整備柵を設置していくというように、対策を計画されています。一目で分布域が分かるANIMAL MAPだからこそ、住民の方々も納得して計画を進めることができます。
ANIMAL MAPから得られたデータをもとに立てられた整備柵の設置計画です。
今後は ANIMAL MAP のデータをさらに分析して、効率的な捕獲を目指す
現在、南会津町様では、サルの捕獲のために捕獲檻を設置しています。さらに効率的にサルを捕獲していくために、ANIMAL MAPを使って季節的な分布域を分析することで、サルの移動経路にピンポイントで捕獲檻を設置することを考えているとのことです。
やる気あふれる担当者
南会津町役場農林課千本木様はGPS首輪の取付を自分で行うため自ら麻薬研究者免許を取得するほど。
この度は、地域住民の方々が日頃行っている取り組みをぜひ多くの方に知っていただきたいと様々なお話を聞かせてくださいました。
労力削減だけではなく、地域の合意形成ツールとして期待
「これまで箱わなで捕獲したサルには、過去に購入したLT-01を町の職員が装着してテレメトリー調査を実施していましたが、鳥獣担当者の業務時間中に十分なテレメトリー調査を実施できず、せっかく発信機を装着したにもかかわらず満足なデータが収集できない状況が続いておりました。そこで、ANMIMAL MAPを活用して、取得するデータ量を大幅に増やしつつ労力を削減し、かつ地域の被害対策を実施するにあたり効果的に合意形成を図るためのツールとして有効的に活用するため導入に至りました。」
とは、千本木さんのお言葉
さらに、
「被害対策手法に関する講習会や、地区の合意形成を図る座談会等で活用しています。基本的にプロジェクターで投影しながら話を進めるため、住民の方々はとても興味深く耳を傾けてくださる印象です。」
と教えていただきました。
①GPS首輪発信器は、設定次第で好きな時間の位置情報を自動的に取得します
②専用スマートフォンで、GPS首輪発信器が記録したデータを一括ダウンロードします
③ダウンロードしたデータは携帯電話回線ですぐ自動的に更新します
④一回のダウンロードで過去の生息域を調べることができます
このように、今まで長期間、頻繁に調査しないと分からなかったサル群れの生息域を、GPS首輪発信器GLT-02と専用スマートフォンGL-LinkManager2を使うことで簡単に調べることができます。
上記システムに必要な機器一覧